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ベッドの歴史

ベッドの歴史
ベッドの発生以前の人類は、恐らく洞窟や崖下の窪地などで生活をすることで寝る際の寒さを防ぎ、また寝床には獣の革などを敷き、そしてそれにくるまって寝ていたと思われます。
歴史上最も初めにベッドが認められるのはBC3200年頃のエジプトです。これは多くの埋葬品や壁画によって見ることができます。そしてこの頃既に現在に至るベッドの形態の原形とも言えるものが発生していたことが分かります。このエジプトの時代のベッドの特徴はヘッドボードがなくフットボードのみを有している所です。枕はまだ使われておらずヘッドレストが使われていました。マットレスの形態はまだ無く、動物の革や畳んだ衣類をそのように用いていたようです。
エジプト期のベッド


ローマ時代のベッド
エジプトに続く文明社会であるメソポタミア、バビロニア、アッシリア、フェニキアの時代はいずれもエジプト期のものを踏襲したものとなっていましたが、この時代になって初めてヘッドボードが発生しました。枕の発生により枕止めが必要となったためです。また、この時代のベッドは昼間は長椅子として兼用されることが多かったようです。この兼用のやり方は古代ギリシャにも共通してみられます。マットレスとしては藁や羽毛などを詰め込んだ袋状のものを使っていました。
ローマ時代に入ると、後のベッドルームの前身ともいうべき「キュビキュルム」が作られたり、またアールコーブにベッドを置く形式も発生しましたが、ベッドそのものの形態はエジプト期のものを踏襲していました。その後ローマ帝国の崩壊の後10世紀頃までベッドに似た家具の発生はほとんど見当たりません。
11世紀の終り、1095年第一次十字軍の派遣があり、それに参加した兵士たちがカーテンをヨーロッパに持ちかえったことにより、ベッドの回りにもそれがとりつけられるようになりました。この事によりベッドには新たに独立した部屋のような機能が派生しました。またその後政情が安定するにつれて装飾性を求めるようになり、カーテンが取り付けられていた部分が木製のパネルに変えられるようになると、部屋の中にもう一つ部屋が作られるといった様子になってきました。今世紀まで続くボックスベッドの原形ともいえるものです。
14世紀に入ると天蓋が発明され、ベッドにも取り入れられました。天井、フレームまたは壁に取り付けられカーテンを吊るようになりました。
中世のベッド



近代のベッド
15世紀に起こったルネッサンスの動きは、それまで部屋の隅や奥に置かれていたベッドを部屋の中央に出すようになりました。同時に部屋とのバランスが考えられるようになりました。また、住む家屋の大型化により部屋数も増え、独立したベッドルームも作られるようになりました。(尤も現在のように寛ぐためというよりは自己防衛の要素が強かったわけで、同じベッドルームの中にガードマンを一緒に休ませていたことが多かったようです。)16世紀のフランスでは、歴代の王たちの政務がベッドの上で行われるようになりました。それら王たちの使ったベッドは「正義のベッド」と呼ばれ、またそれに倣って貴族たちも人と会ったりする際にベッドを使うようになり、それらは「謁見のベッド」と呼ばれました。
18世紀に入るとマットレスが大きく進歩しました。それまでのただ袋の中に藁や綿などを入れていたものから、現在の形状に近い形で鳥の羽や獣の毛を詰めたコンパクトなものに変化しました。
19世紀に入ると、科学の進歩と共に金属製のベッドが大きなブームになり大量に生産されました。また中期から後期にかけてヨーロッパとアメリカに於いてベッドに対するパテント保護が与えられるようになり多数の新案が考えられました。このことは主にボトムの進歩に大きな影響を与えました。そして今世紀に入って最も特筆すべき出来事は、1920年に出現した「インナースプリングマットレス」の出現でしょう。この「インナースプリングマットレス」の出現により、ダブルクッションタイプのベッドの考案がなされ一つのベッドスタイルが確立されます。またスプリングの改良が進むと同時にフレームのデザインも大きく進歩し、プラットホームタイプを初めとする様々なデザインが工夫され多様性が出てきました。
引用文献:「ベッドの本」海鳥社、マーク・ディトリック著、黒木 昂志訳



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